姫路に行ってきた。
林業見学ツアーに申し込んだのだ。
JR姫路駅からバスで、宍粟市の森へと向かう。
兵庫県宍粟市(しそうし)は、面積の90%が森林。
この資源の有効利用が大切な課題だ。
「ヘルメットを被って、出発進行!」
ツアー参加者は、応募条件「将来、木の家を建てたい方」を満たした方で、
60歳以上の方が多かった。
花粉の季節だが、地面が土でなので舞い上がらず、都会よりも平気だと言う。
ウィーンーーー。バサッバサー!!!
チェーンソーで木を伐っていく。
背丈のある杉は、15m以上もあるので、倒れる瞬間は、現場に緊張感が走る。
30年モノの間伐作業。一般的には、間伐材とは言えない立派な木だ。
切り落とした木をドイツ製「ハーベスト」という機械で、その場でカットされる。
クレーンの先に付いている赤いのが、「ハーベスト」(推定2500万円)。
すぐに枝が落とされ、3m、4mの規格に切られる。
3mは柱に、4mは床材などに使用される。
カットされた木材
※芯が濃くなっているのが杉。白いのがヒノキ。
切られた木材は、近畿一の規模を誇る近くの製材所へ。
切られた木は、ここで、自動的に皮を剥かれ、
大きさが計られ、無駄のないようにカットされる。
木の切端
これらは砕かれ、チップとなって、木の乾燥用ボイラーの燃料や紙の材料となる。
全く無駄を出さない!
70〜120度の温度調節が可能な乾燥室。
杉は、なんと100%以上水分を含む。ここで1週間、10%まで乾燥させる。
乾燥室から出た木材。さらに2週間、自然の空気にさらす。
昔は、秋に切って春先まで自然乾燥させていた。今では、その工程を約一ヶ月で行う。
鉋(かんな)をかける機械。1.5秒に1枚をかける猛スピード。
ここで、乾燥具合も再チェック。
※工場には、作業員が少ない。
オートメーション化が進んでいる証拠だ。
(ただし、虫食いなどは、人間の目でチェック。)
様々厳しい審査をくぐり抜け、この巨大な倉庫から様々な地域へ発送される。
次に工務店を見学。
宍粟市は、林業、製材所だけでなく、木の最終加工も行う。
この工務店では、伝統的な大工の棟梁がおり、墨で線をひく。
レーザー加工でこのように!
断熱材を詰めるところ。
中身は、なんと新聞紙が原料。木の繊維を含み、絶妙な調湿効果を持つ。
実際に火をつけてくれたが、燃えないのが驚きだ。
さあ、一日、林業から加工まで見学させてくれて、
お弁当までもらい、なんと1000円。楽しかった〜。(宍粟市主催のツアーです。)
今回のツアーで、宍粟市は、木材から家を創る工程を全て見せてくれた。
そこに、なによりも誠実さを感じるのだ。
組合員の方:「木は人と同じ。様々な個性や表情がある。」
木を愛さなければ、人間に最適な加工はできない。
機械はあくまで、価格を下げるため。
輸入外材に対抗し、自然を守るためには、人件費を下げるしかないのだ。
また、機械では出来ない部分を人の力で行う。
この棲み分けは、森と人への愛がなければできないのだ。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
タバコが美味しくなりまたら、押してください。